受託収賄疑いで三重県職員ら逮捕 県企業庁発注工事、入札で便宜約束か

三重県企業庁発注の水道設備工事で便宜を図る見返りに現金を受け取る約束をしたとして、県警は15日、受託収賄の疑いで、元県職員小野弘春容疑者(60)=松阪市川井町=と、県伊勢農林水産事務所農地海岸保全管理課長酒德和也容疑者(57)=伊勢市黒瀬町=を逮捕した。贈賄の疑いで、四日市市塩浜の土木工事会社「新陽工業」社長新井政智容疑者(45)=同市楠町=も逮捕した。

小野、酒德両容疑者の逮捕容疑は令和3年7月ごろ、桑名市西方の水道管制水弁取り換え工事入札に参加するための資料作成に助言や指導をする謝礼として、新井容疑者から現金を受け取る約束をした疑い。

県警捜査二課によると、入札は価格に技術力などの評価点を加味する総合評価方式で実施し、同年7月5日に開札。8社が参加し、新陽工業が予定価格より約5800万円低い約7億3100万円で落札した。

小野容疑者は当時、企業庁北勢水道事務所浄水部の副参事、酒德容疑者は尾鷲農林水産事務所の課長だった。酒德容疑者は入札に関わる立場でなかったが、共謀して現金を受け取る約束をしたとみられる。

捜査二課は3人の認否や小野、酒德両容疑者が実際に現金を受け取ったかどうかについて「捜査に支障がある」として明らかにしていない。新井容疑者に図った便宜の詳細や3人が知り合った経緯などを調べる。