住職引き継ぎ、町内練る 津の浄安寺で「晋山式」、稚児行列も 三重

【町内を練り行列する第30世住職の片岡さん(中央)=津市本町で】

【津】三重県津市本町の浄土宗岩田山浄安寺で4日、新住職・第30世覚誉裕文上人の引き継ぎ儀式「晋山式」があった。練り行列や稚児行列、儀式が盛大に執り行われ、約120人が参列した。

同寺は永禄3(1560)年創建。平成31年先代の逝去に伴い令和元年6月に息子の片岡裕文さん(47)が30世を継いでおりコロナ禍で延期していた晋山式を32年ぶりに行った。

錫杖や仏旗を掲げた壇(だん)信徒や雅楽を奏でる僧侶らに続き、金色の水冠をかぶった片岡さんや稚児らが寺周辺を約1キロメートルにわたって練り行列。「南無阿弥陀仏」と繰り返して山門をくぐり、本堂での晋山式に臨んだ。1歳11カ月の娘と稚児行列に参加した冨山光平さん(29)は「普段できないいい経験ができた」と話した。

壇信徒会代表総代の林口朋一さん(80)は「寺の運営は難しくなっているが浄土宗の伝統を守りながら時代に沿った運営をしていただきたい」と期待。片岡さんは「身を引き締め檀家の皆さんために勤めたい」と力を込めた。