空き家を無人宿泊施設に再生 鳥羽、みんなが笑顔でわいわいできる場に 三重

【空き家を再生した旅館「なおみ」と森さん=鳥羽市小浜町で】

【鳥羽】三重県鳥羽市小浜町にこのほど、空き家を再生した旅館「なおみ」がオープンし、一般予約が始まっている。旅館を運営する「一般社団法人 空き家innovation」(愛知県春日井市)代表理事の森大地さん(33)は「宿泊だけでなく、みんなが笑顔でわいわいできる場にしたい」と話している。

空き家専門のリフォームを手がける森さんは、全国で増え続ける空き家の現状を知ってもらい、解決につなげようとさまざまな空き家を引き取り、再生する様子をSNS(交流サイト)などで発信してきた。

今回は、令和三年に所有者から譲り受けた築百年の木造2階建ての空き家を宿泊施設として活用。旅館業の営業許可を取得し、リフォームにかかる費用の一部はクラウドファンディングで集めた。

【空き家を再生した旅館「なおみ」の施設内=鳥羽市小浜町で(森さん提供)】

防音工事に外壁や屋根の修繕を行い、古い天井や柱を生かして建物の歴史や木のぬくもりを感じる空間に仕上げた。施設内には居間や寝室、台所、浴室、ギャラリー展示室などがあり、伝統的な和の雰囲気を保ちつつ、モダンな要素も取り入れたという。

一棟貸し切りの無人宿泊施設で、食事の提供はなし。宿泊料金(一泊)は平日3万5千円、週末は4万円(宿泊予約サイトの手数料が別途必要)。定員は六人。予約や入室方法、施設の概要などはホームページに詳しく掲載している。

【「旅館なおみ」のホームページのQRコード】

森さんは「これから空き家問題は国の問題から一人一人の問題になっていくと思うが、田舎にある古くて寂れた家でも何か活用するすべはあるということが少しでも伝わればうれしい」と話した。