早期開業に向け運動 リニア三重県期成同盟会が決議

【リニア中央新幹線の早期開業を目指す決議を採択した期成同盟会の総会=津市羽所町で】

三重県や市町などでつくるリニア中央新幹線建設促進県期成同盟会は24日、津市羽所町のホテルグリーンパーク津で本年度総会を開いた。関係者ら167人が出席し、リニアの早期全線開業に向けて「強力な運動を展開する」と定めた決議を採択した。近く国とJR東海に要望する。

決議は東京―名古屋間の建設工事について「現在、困難な諸課題に直面している」と指摘。未着工となっている静岡工区の早期着工に向けた協議を迅速に進めるよう、国やJR東海などに求めると明記した。

三重県内の駅位置は、同盟会が昨年11月に示した亀山市内の3案から選定するようJR東海に要請。年内に環境影響評価手続きに着手し、県内の概略ルートと駅位置を早期に公表するよう求めると定めた。

会長を務める一見勝之知事はあいさつで「リニアは県にとって生命線」とした上で、工期の遅れが「日本全体の経済損失になる」と指摘。「全ての県民が名古屋以西の早期着工を願っている」と述べた。

来賓で出席したJR東海の水野孝則専務は、静岡工区について「静岡県知事の理解が得られず、工事に着手できていない」とした上で「静岡工区の早期着工に向け、引き続き真摯に対応する」と述べた。

また、同盟会が年内の着手を求める県内での環境影響評価手続きについて、水野専務は「今年中に(計画段階環境配慮書を)作成することは極めて困難」と説明。準備を進めていると紹介し、理解を求めた。