少子化対策「未婚者解消がかぎ」 東京財団政策研究所・坂元氏、本紙政経懇話会で講演 三重

【伊勢新聞政経懇話会で講演する坂元氏=津市大門の津市センターパレスホールで】

【津】伊勢新聞政経懇話会は24日、三重県津市大門の津市センターパレスで10月例会を開き、東京財団政策研究所の坂元晴香主任研究員が「データから読み解く日本の少子化の要因」と題して講演した。「少子化対策は未婚者の解消がかぎになる。未婚は低所得、不安定雇用の層に極端に偏っている」と述べ、世界の少子化対策を紹介した。

坂元氏は「貧乏人の子だくさんはデータで言うと間違い。3人以上子どもがいる割合は年収が上がるにつれて増える」「既婚者ほど定職についている割合が高い」と説明する一方、「交際相手なし、かつ異性との交際に興味がないと回答した人のうち70%は年収300万円未満」とデータを示し、収入・雇用による格差を指摘した。

また「20―30代前半の高収入女性の結婚が増える傾向が最近の一番の変化。男性は女性に収入を求め、女性は男性に家事育児能力を求める。結婚でリスクヘッジ(リスクを分散する)の考えが増えてきている」と話した。

少子化対策について「確立されたものはない。子育て支援をしたところで少子化対策にはつながらない。特効薬的なものはなく試行錯誤している」「ハンガリーはすごい思い切ったことをして、子どもを4人産むと生涯所得税ゼロにして、9年で3人子どもを産むと平均年収の約2・5倍の金銭的手当を設けた。一定程度の効果があり、合計特殊出生率を上昇基調に戻したが、2にはほど遠い」と語った。

坂元氏は「子ども産んだ引き替えに学費免除などの政策は、女性をコントロールしかねないと当然批判が出るが、議論しないことには始まらない」と呼びかけ、「ロスジェネ世代は結婚したい願望があったのにできなかった。正社員に就職できす非正規という例がたくさんある。むしろ停滞社会の犠牲者」「所得や雇用で結婚をあきらめざるを得ない社会を許容していいのか」と訴えた。

坂元氏は北海道釧路市出身。医師、公衆衛生学博士(東京大学)。札幌医科大学医学部を卒業後、聖路加国際病院内科医を経て、厚生労働省国際課・母子保健課に勤務した。