2023年10月11日(水)

▼9月15日に始まった全米自動車労働組合(UAW)のストライキは同29日現在、21州43カ所で2万5千人の組合員が参加。ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーター、ステランティスの「ビッグ3」で史上初の同時ストとなり終息は見通せないという(本紙『株式展望』)

▼筆者は岡三証券投資情報部ストラテジストの近藤尚哉さんで、題は「UAWストライキによる影響を考察」。「ビッグ3」の競争力低下やコスト増、トヨタ、ホンダなど他の自動車メーカーのチャンスなどあげているのは当然だが、それはそれとして、約61年ぶりだと驚かれたそごう・西武労組のストが、予定通りの1日間だけで、労使の協議が平行線のまま翌日には取締役会が投資ファンドへの売却を決議した。彼我の労働運動の違いが際立つ

▼日本労働組合総連合会(連合)に一本化されて日本の労働運動は急速に闘争力を失った感がある。労使協調路線だった旧全日本労働総同盟(同盟)が主導し、対決路線だった同日本労働組合総評議会(総評)との中間に位置した同中立労連がトップに立ったからかもしれない。企業内組合で「会社あっての労組」意識が浸透し、労働者の流動化を前提に「適正賃金が払えない企業は退場すべき」という欧米労組との違いが広がった

▼労働者全体に占める労組の組織率は今や1割台。連合が労働者代表の地位を維持するには、政府委員などに食い込むしかない。芳野友子会長が自民幹部と食事を重ねるのはそのためだろう

▼どちらが労働者の味方かはおのずと明らかな気がする。