消防に安全確保の明文化指示、事故通報者死亡で三重知事

一見勝之三重県知事は27日の定例記者会見で、亀山市の東名阪自動車道で通報者を含む3人が死亡した多重事故を受け、通報者の安全確保に関する規定を手順書に明記するよう、市町の消防に求める考えを示した。

県によると、県内では9つの消防本部が現場で119番をした人の安全を確認したり、安全の確保を促したりする項目を手順書に記載している。残る6つの消防本部では同様の項目を盛り込んでいない。

一見知事の指示を受けた防災対策部は、消防に指導や助言ができると定めた消防組織法に基づき、全ての消防本部に明文化を求める方針。県消防学校には、カリキュラムに盛り込むよう既に指示した。

一見知事は会見で、手順書に具体的な対応が記されていないことによる「現場への負担」に懸念を示した上で「明文化することで、通信司令員が対応に迷わないようにすることが大事」と述べた。

一方、亀山市消防本部による通報者への対応が適切だったかどうかを問われた一見知事は「詳細については警察が捜査している。私の方から具体的なコメントは控えたい」と述べるにとどめた。

事故は3月27日午前2時半ごろに発生。大型トラックなど5台が絡む事故で、通報していた男性を含む3人が死亡した。この男性は車の外で通信司令員と電話で通話中、後続車にはねられたとみられる。