2023年9月15日(金)

▼第二次岸田再改造内閣に特に感慨もないが、残念なのは野村哲郎農相の退任、と言っては反転攻勢を願う岸田首相に申し訳ないか。東京電力福島第一原発の処理水を「汚染水」と発言し、与野党から非難され、謝罪に追い込まれた

▼「言い違えた問題がこれだけ大きくなってしまって内閣に迷惑をかけた。それ以上に福島の皆さんに大変迷惑をかけた」。続投したが、本人は改造を前に「早めに引いた方がいいだろう」と言っていた。政治家の発言は額面通りに受け取れない。覚悟の発言と思うと言ったって、何の根拠もあるわけではない

▼昭和62年のリゾート法(総合保養地域整備法)成立で県が第一号認定を受けた時、県は開発一色に染まり、ゴルフ場の規制を緩めて申し込みが殺到し、再規制するなどドタバタを繰り広げたが、規制をかいくぐる方法として、レストハウスを一つにして二つのゴルフ場をつなぎ、1カ所として申請する業者が現れた

▼リゾート開発はいわば“県是”。規則も柔軟に適用する必要があると認可に動いたのが県開発指導課だ

▼真っ向から反対したのが農林水産部。県をあげてのリゾート熱に「何がリゾートだ」と言い放ち「こっちは県民の食糧を担っているんだ」。県政不一致だと開発指導課長は怒ったが、気配りの田川県政は農水部長を制止することはなかった

▼地元水産業者のどれほどが「処理水」と認識しているかは知らぬが、農水相が言い間違えて水産業者の気分を代弁したとしたら痛快である。後任が処理水と水産物の安全を国際的に訴えていける人材かどうかも気になるところ。