学校再編説明会に87人 意見さまざま 鈴鹿市教委 児童「無くなってほしくない」

【計画についての説明を聞く参加者ら=鈴鹿市秋永町の市立天栄中学校で】

【鈴鹿】三重県の鈴鹿市教委は9日、同市秋永町の市立天栄中学校で、児童数減少に伴う同校区の学校再編計画についての説明会を開き、3小学校を統合した「新たな小学校」の令和8年度開校と、令和14年度をめどに早期開校を目指す小中一貫の義務教育学校「(仮称)天栄学園」の設置に向けた考え方を示した。

同中学校区には市の南部地域にあたる天名、合川、郡山、栄の4小学校があり、そのうち合川小では令和6年度、天名小では令和8年度から、2つ以上の学年をひとまとめにして1つの学級に編成する「複式学級」が発生する見込み。市教委は「複式学級が児童生徒に与える影響は大きい」と懸念しており、廣田隆延教育長は「社会がグローバル化していく中で、子どもたちはある程度の人数の中で過ごすことが重要と考えている」との考えを示す。

「新たな小学校」は、複式学級の発生を見込む2小学校と郡山小を加えた3校を統合し、郡山小の校舎を活用して開校する計画で、義務教育学校への円滑な移行につなげていくのが狙い。児童の登下校にはスクールバスを運行させる。

「(仮称)天栄学園」は、新たな小学校のほか栄小学校と天栄中学校の児童生徒を対象に、施設一体型の整備を検討。9年間を見通した教育課程を編成することで、近隣高等教育機関との連携による先進的な取り組みの推進や、特色ある教育活動の展開などを通じた地域活性化が期待できるという。

説明会には子どもを含めた87人が参加。参加者からは「複式学級が悪いというイメージが植え付けられている」「子どもや保護者の声を聞いて決めたのか疑問」「反対意見が大きく取り上げられているが、決して地域の多数意見ではない」「統廃合せず義務教育学校を前倒ししてはどうか」などさまざまな意見が出された。

合川小5年の垣内叶翔君(10)は「合川小が無くなってほしくない。学童も無くなるのか」と質問。廣田教育長は「学童は残す方向で進める」と答えた。

説明会を終え、廣田教育長は「まとまった地域なので複式学級にするのはもったいない。(天栄中学校区として)1つの地域と考えてもらえれば」と話した。

同計画は市教委ホームページなどで閲覧できるほか、20日まで意見を募集している。