関係者への聞き取りを開始、津市女児死亡事件で検証委

【会合後の取材に応じる佐々木委員長=津市栄町1丁目で】

津市で母親(42)から暴行を受けた三女=当時(4つ)=が死亡した事件の検証委員会は8日、津市栄町1丁目の県勤労者福祉会館で会合を開き、児童虐待対応システムを開発した業者への聞き取りを実施した。

会議は非公開。業者の代表ら3人とシステムの研修などを担当する児童相談所の職員2人から、システム導入の経緯やメリット、課題などの説明を受けた。事案に関する直接の質疑応答はなかったという。

検証委が外部への聞き取りを実施したのは初めて。9月19日に開かれる4回目の会合では、委員らが今回の聞き取り結果を踏まえて意見交換する。津市などの関係機関に対する聞き取りも想定している。

佐々木光明委員長は会合後の記者会見で、システムについて「大きな期待で導入されたが、期待した形かというと少し課題もあると思う」と指摘しつつ「システムだけを焦点化するわけではない」と語った。

検証委は弁護士や精神科医ら5人で構成。児相などによる当時の対応を検証することを目的として、県が設置した。月2回のペースで開き、早ければ年度内にも再発防止に向けた提言をまとめる。

県は令和2年7月、全国に先駆けてシステムの運用を開始した。三女の虐待疑い通告があった当時、システムは一時保護率を39%、再発率を13%と算出。この結果を参考に、県は一時保護を見送っていた。