伊勢亀山藩の数学者、堀池親子の功績を本に 郷土史研究家、八木氏が発行

【「堀池敬久・久道全集(附由良時諶集)」を発行した八木氏=亀山市東御幸町の市文化会館内中央コミュニティセンターで】

【亀山】三重県の亀山市文化財保護審議会委員で郷土史研究家の八木淳夫氏(71)=同市江ケ室1丁目=はこのほど、江戸時代の伊勢亀山藩の数学者、堀池敬久氏と息子の久道氏、堀池氏と親交を深めていた天文学者の由良時諶について33年の月日を費やし編集した「堀池敬久・久道全集(附由良時諶集)」(A4判488ページ)を発行した。200冊で非売品。

八木氏は7日、同市東御幸町の市文化会館内のコミュニティカフェ「ぶんぶん」主催の「KAMEREKI~学びぃ~舎」で出版記念講演を開き、本を披露し、参加者23人に配布した。

堀池親子は、当時亀山藩の武士らに算木を用いた和算や積分を教えていた。また、三角形の三辺に接する円の直径などを解く算術など、数学者として同藩に功績を残している。親子の墓は、同市野村3丁目の慈恩寺に建立されている。

八木氏は「息子の久道氏の功績は文献などにも多く残されているが、父の敬久氏あっての親子の数学者としての活躍と功績を多くの市民らに知ってほしいという思いで本にまとめた」とし、「津市立図書館などで文献などの資料を集めて33年間かけ、ようやく発行することができた」と話した。

本は、亀山市立図書館と市歴史博物館のほか、市内の各地区コミュニティセンターに配布している。