台風7号被災現場を視察 一見知事、度会町長から聞き取り

【中村町長(中央)から農地の被害について説明を受ける一見知事(左)=度会町大野木で】

一見勝之知事は3日、台風7号で被災した度会町と尾鷲市を視察し、農地や浮桟橋などの被害を聞き取った。度会町内の農地で発生した被害では、ダムの事前放流が「もう少し早ければ良かった」と述べ、今後の台風に備えて対応を検討する考えを示した。

県によると、度会町内では台風7号の大雨による影響で宮川が氾濫危険水位に達したほか、他の川でも越水が発生。約61ヘクタールの農地が冠水し、泥水が水田に入ったり、稲が倒れたりする被害があった。

一見知事は同町大野木の農地を訪れ、近くの西谷川から農地に水が流れ込んだと説明を受けた。中村忠彦町長は「もう少し(早く)三瀬谷ダム(大台町)の事前放流をしてもらいたかった」と述べた。

一見知事も「もう少し早く(三瀬谷ダムの)水位を下げておけば良かった」と述べ、事前放流のあり方について検討すると説明。視察後の取材には「今後の台風に向けて対応を強化していく」と語った。

この後、一見知事は尾鷲栽培漁業センター(尾鷲市古江町)を視察。高波によって浮桟橋が岸壁から引きはがされたことなどについて、センターを運営する県水産振興事業団の担当者から説明を受けた。

台風7号は先月14日から同15日にかけて県内に接近し、風にあおられて転倒するなどした男女10人がけがをした。約6万戸が停電し、床下浸水や土砂崩れも発生。漁船など12隻に転覆などの被害があった。