明野高生がビール開発 知事に報告、原材料に酒かす使用 三重

【開発したビールを一見知事(前列中央)に紹介した明野高の生徒ら=県庁で】

県立明野高(三重県伊勢市小俣町明野)の生徒らが31日、授業の一環で開発した「SUSTAINA BEER(サステナビール)純環」の完成を一見勝之知事に報告した。資源を再利用して環境負荷の低減を図る「循環型農業」の実現に向け、原材料に酒かすを使用するなどした。9月8日に発売する。

ビールには、同校が生産する酒米を使った純米吟醸酒「明野さくもつ」の酒かすを使用。ビールの製造過程で出たモルトかすは、同校が育てるブランド豚「伊勢あかりのぽーく」の飼料にした。

生産科学科の生徒らが「持続可能な循環型農業」の実現を目指して開発。伊勢市の二軒茶屋餅角屋本店(ISEKADO)がビールを製造し、多気町の河武醸造が酒かすを提供した。

商品名も生徒らが考案。持続可能の英語「サステナブル」と「ビール」を組み合わせた。「純環」は純米吟醸酒や循環型農業をイメージ。ラベルのデザインには市松模様の輪や稲を採用した。

この日、開発に当たった生徒らが県庁で一見知事に商品を紹介。3年の仲世古柊風さん(17)は「工場でビール造りを学びながら開発した。資源循環型のビールを楽しんでもらいたい」と話した。

一見知事は「夕方であれば良かったが」と試飲は控えつつ「酒かすの良い香りがする」と評価。「三重ならではのビールができた。ふるさと納税の返礼品にもなれば良いと思う」と語った。

330ミリリットル瓶で780円。ISEKADOの各店舗や同社のECサイトで取り扱う。2千本限定。問い合わせはISEKADOお客様サポートセンター=電話0596(63)6515=へ。