「本当の平和へ考え行動」 広島派遣中学生が報告 三重・伊勢で空襲展

【広島訪問で体験したことや感じたことを話す中学生ら=伊勢市御薗町長屋のハートプラザみそので】

【伊勢】三重県伊勢市御薗町長屋のハートプラザみそので19日、「非核・平和第44回空襲展」(同実行委員会主催)が始まった。太平洋戦争で伊勢市が米軍から攻撃を受けた伊勢空襲(宇治山田空襲)に関する資料展示や、広島平和記念式典に参加した中学生の報告会などがあり、来場者に戦争の悲惨さや平和の尊さを伝えている。20日まで。

非核平和都市を宣言している市は、平成6年から中学生を式典に派遣していて、今回は今月5―6日に市内10校の中学生20人が広島を訪れた。コロナ禍の影響で4年ぶりの派遣という。

報告会(市教委主催)には18人が参加。生徒らは原爆ドーム見学、被爆証言講話、式典出席など広島での体験を振り返り、「戦争の恐ろしさや核兵器をなくす必要性について伝え、新しい時代につなげていきたい」「広島で聞いたことや感じたことを多くの人に伝え、本当の平和を実現するためにこれからどうしていくか一緒に考え、行動していきたい」などと話した。

【伊勢空襲に関する資料などを展示した会場=伊勢市御薗町長屋のハートプラザみそので】

会場には、市が昭和20年1月14日から終戦まで十数回の空襲を受けた記録や米軍の空撮パネル、戦時中の生活用品、広島市民が描いた原爆の絵などを展示。平和紙芝居や戦争体験者による証言のDVD上映も行われた。

永井勇輔委員長は「人は伝えてもらった情報で過ちを回避できる。空襲の被害を受けた人の苦しみを理解し、同じ過ちを繰り返さないよう未来につなげていきたい」と話した。

20日には、ジャーナリストの金平茂紀さんによる講演会「ウクライナ戦争が問いかけるもの」や平和紙芝居などが行われる。