縄文土器を中心に58点 鈴鹿市考古博物館で特別展 三重

【口縁部の立体的な装飾が特徴の長者屋敷遺跡から出土した縄文土器=鈴鹿市国分町の市考古博物館で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市国分町の同市考古博物館はこのほど、同館特別展示室で特別展「この縄文土器はどこから来たの?」を開き、同市岡田3丁目の岡田南遺跡、同市広瀬町の長者屋敷遺跡から出土した縄文時代中期の縄文土器を中心とした58点を展示した。9月10日まで。

岡田南遺跡で平成28年度に見つかった縄文土器は胴部の一部が出土した。粘土のひもを貼った渦巻き状の隆帯と斜線の沈線が施してあり、これらの文様は長野県に分布する唐草文土器に似ているという。

長者屋敷遺跡で令和元年度に見つかった縄文土器は高さ46センチ。口縁部に立体的な装飾があり、岐阜県で似た形のものが多く出土している。

いずれも似た文様や形の出土例は県内では珍しく、具体的なルーツなどは判明していない。

遺跡ごとに2部構成で展示し、長野県や岐阜県で出土した縄文土器と比較している。

同館では「縄文時代の人々の交流について想像しながら見てもらえれば」と話した。