伊賀くみひも、ポケモンとコラボ 靴ひもとネックストラップ、糸伍が発売

【糸伍が発売した「ミジュマル」のネックストラップ】

伊賀くみひもの製造や販売を手がける「糸伍」(伊賀市上野鉄砲町)は10日、みえ応援ポケモン「ミジュマル」のデザインを用いたシューレース(靴ひも)などの販売を始めた。ミジュマルをイメージし、組みひもの素材に再生ポリエステルを使用したといい、同社は「多くの人に組みひもを知ってもらえる機会にしたい」と話している。

発売したのは、シューレースとネックストラップ。シューレースのチャームやストラップのパスケースなどにミジュマルのイラストをあしらい、ひもの部分はミジュマルをイメージして青色や水色で彩った。

【糸伍が発売した「ミジュマル」のネックストラップ】

県とポケモン(本社・東京都)が令和3年12月に結んだ包括連携協定に基づく取り組み。これまでも県内の事業者がミジュマルとコラボした茶や菓子、ハンカチ、コースターなどを販売してきた。

今回は伝統工芸の振興を図ろうと、県が新たなコラボをポケモンに提案。ポケモンの意向を踏まえて伊賀くみひもを選び、県組紐協同組合を通じてコラボの相手方となる事業者を募っていた。

糸伍の松田智行社長(48)はスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」を楽しむなど、以前からポケモンのファン。「自社商品がポケモンとコラボできれば名誉なこと」との思いで応募し、企画が採用された。

松田社長が商品の開発でこだわったのは、組みひもの素材を再生ポリエステルにすること。海洋プラスチックをリサイクルした素材を使えば「水タイプ」というミジュマルとの共通点ができると考えた。

ただ、通常のポリエステルに比べて再生品は柔らかく、靴ひもに使うと履き心地に「癖が出る」(松田社長)という。機械の調整など、半年間にわたる試行錯誤の末に従来品と変わらない履き心地を実現した。

同社は昭和29年に創業し、今年で70周年を迎える。令和3年から販売している「くみひもシューレース」は、優れた県産品を県が認定する本年度の「三重グッドデザイン」に選ばれた。

松田社長は「組みひもは女性向けの商品が多いが、今回の商品は男性にも使ってもらえる。ポケモンとのコラボをきっかけに、子どもから大人まで多くの人に組みひもを知ってもらいたい」と話している。

ネックストラップは3050円、シューレースは2650円。県内の土産物店などで販売している。糸伍のオンラインショップでも12月末まで扱う。問い合わせは糸伍=電話0595(21)3911=へ。