アサリ産地偽装疑い 三重県警、5人書類送検

海外産のアサリを県産などと偽って販売していたとして、三重県警は2日、食品表示法違反(原産地虚偽表示販売)と不正競争防止法違反(誤認惹起(じゃっき)行為)の疑いで伊勢市村松町、元水産加工販売店「立花社(廃業済み)」経営の男(64)と元従業員の男(56)、松阪市新松ケ島町、水産物卸売会社「イソザキ」と同経営者の男(60)を書類送検したと発表した。

送検容疑は、立花社が令和4年4月1―30日ごろまでの間、中国産のアサリ約4トンを県産と表示して販売したほか、イソザキが令和3年9月30日―10月31日ごろまでの間、韓国産と愛知県産のアサリ約1・8トンを熊本県産と表示して販売した疑い。

このほか、共謀して韓国産のアサリ約4トンを熊本県産と偽装した食品表示法違反(原産地虚偽表示販売)の疑いで、松阪市町平尾町、水産物卸売店「濱口商店」経営の男(56)と、別の水産物卸売会社を経営する伊勢市村松町の男(76)を書類送検した。

送検された事業者らはそれぞれ産地を偽装したアサリをスーパーや卸売会社などに販売していたとみられ、販売数量は合計約10トン、売り上げ額は625万円に上るとみられる。県は昨年10月、食品表示法に基づき3社に是正と再発防止を指示していた。

男らはそれぞれ「国内産の水揚げ量が少なく、全量をまかなうためにやった」と容疑を認めているが、産地偽装を認識しながら濱口商店からアサリを仕入れていたとみられる男は、「他の業者が偽装していると話したが、偽装して売れとは命令していない」と容疑を否認している。