国体の早期開催を 三重県スポーツ協会が県に要望

【一見知事(右)に要望書を手渡す向井会長=県庁で】

三重県スポーツ協会は1日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止した国民体育大会の早期開催を求める要望書を県に提出した。一見勝之知事は早期開催に向け、市町などとの調整を進める考えを示した。

県は新型コロナの感染拡大を受け、令和3年の開催を予定していた三重とこわか国体・とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)を中止。延期のルールに基づく同9年の開催も財政面などの事情で断念した。

要望書は、三重国体と同じく新型コロナの感染拡大を受けて令和2年に国体を中止した鹿児島県が、今年10月に国体を開くことを紹介。「三重だけが2巡目の国体を開催できないことになる」と指摘した。

その上で「国体は県を挙げての取り組み。スポーツの振興だけでなく、経済の活性化や地域の絆作りでも極めて重要なイベント」と強調。「3巡目を待たず、可能な限り早期の開催を要望する」とした。

この日、向井弘光会長が県庁で一見知事に要望書を提出。「中止の判断以降、皆が無念さを胸に前を向いて進んできた。関係者からは、3巡目を待たずに開くよう求める声が多く届いている」と述べた。

一見知事は延期の断念を「苦渋の選択だったが、あの決断しかなかった」と振り返った上で「成功裏に終わるよう市町と調整する。2巡目の国体をしなかった県だと言われないようにしたい」と述べた。

一方、開催に伴う財政負担の問題に触れて「華美にならないように経費を削減しなければならない」と指摘。「国体では起こらないと思うが、五輪でもさまざまな問題が持ち上がっている」と語った。