6月の求人倍率1・29倍 三重労働局、雇用情勢引き下げ

三重労働局は1日、6月の一般職業紹介状況を発表した。有効求人倍率(季節調整値)は1・29倍で、前月から0・02ポイント低下。同局は倍率の低下などを踏まえ、雇用情勢の判断を3年ぶりに引き下げた。

同局によると、県内の有効求人倍率が低下するのは4カ月連続。全国順位は前月から1つ上げて27位となったが、32カ月ぶりに全国平均(1・3倍)を下回った。

有効求人数は前月比0・5%(174人)増の3万2181人で、4カ月ぶりに増加した。有効求職者数は2・2%(540人)増の2万4912人で、2カ月連続で増加した。

新規求人倍率は前月比0・08ポイント減の2・12倍で、2カ月ぶりに低下。正社員有効求人倍率(原数値)は前年同月比0・07ポイント減の0・97倍。2カ月連続で全国平均(0・99倍)を下回った。

製造業では、原材料費や電気料金のさらなる上昇を見据え、求人を抑える動きが続いている。一方、人流の回復に伴い、レジャー施設などで多くの求人が出ている。

今月の雇用情勢は「改善の動きに一部で弱さが見られる」と判断した。昨年4月以降は「改善の動きが継続しているが、新型コロナウイルスの影響に留意する必要がある」と判断し、同年9月からは新型コロナ関連の文言を削除していた。

金尾文敬局長は記者会見で、雇用情勢の判断を引き下げた理由について「経済の回復に一服感がみられ、物価高による求人の減少や事業主都合の離職者が増えているため」と説明。「原材料高などが求人に与える影響を注視する必要がある」と述べた。