縫いぐるみ題材に油絵 南伊勢町でオノさん個展 三重

【縫いぐるみを題材にした作品とオノさん=南伊勢町五ケ所浦の伊勢現代美術館で】

【度会郡】三重県南伊勢町五ケ所浦の伊勢現代美術館で、津市新町の画家、オノ・ミチ・ヒロ(本名・小野道宏)さん(64)の個展が開かれている。9月3日まで。火、水曜と8月3日は休館。

小さい頃から絵が好きだったオノさんは、中学・高校と美術部に所属。武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業後は、高校の美術教諭として教壇に立つ傍ら作家活動を行っている。

20年以上前から縫いぐるみを題材にした作品制作に取り組んでいて、同展には人間との関係性を探究し、愛される喜びと虐げられる悲しみの両方を内包した縫いぐるみの存在を表現した油絵やインスタレーション計48点を出展した。

近作の「タベタリタベラレタリ」はクマの縫いぐるみをかぶった4人家族の食事風景で、食卓にはクマの形の食べ物を並べ、立場が逆転する瞬間を描いた。ほかにも、クマの縫いぐるみが町の中を走る作品や、麻布や粘土などで作ったクマの顔と鏡を用いたフォトスポットになる作品なども並ぶ。

オノさんは「自分の感じたことが作品を見る人と共有できれば」と話した。

入館料一般700円、中高大学生500円、小学生以下無料。