知事、来月ブラジル訪問へ 三重県とサンパウロ州姉妹提携50周年

【定例記者会見で、サンパウロ州を訪問すると発表する一見知事=県庁で】

一見勝之三重県知事は28日の定例記者会見で、来月18日から24日までブラジルのサンパウロ州を訪れると発表した。県と州の姉妹提携が今年で50周年を迎えることなどを受けた訪問。現地の県人会が創立80周年を記念して開く式典などに出席する。

県によると、記念式典は来月20日、サンパウロ市内にある県人会の会館で開催。会場では一見知事が関係者らと交流するほか、伊賀市を拠点に活動する伊賀流忍者特殊軍団「阿修羅」が忍術を披露する。

同州との友好関係を改めて確認する文書を交わすことも視野に、州政府関係者との面会を調整している。州議会や市議会を訪れて日系議員らと意見交換するほか、桑名良輔在サンパウロ総領事と面談する。

開拓先没者の慰霊碑に献花する予定。現地で日本文化を伝える「日本館」と県が共催で開く「忍者展」を視察するほか、県と州の姉妹提携を記念して名付けられた「三重県橋」や日本移民史料館も訪れる。

現地の県人会から昨年3月、記念式典に出席するよう依頼を受けたことが訪問のきっかけ。中森博文県議会議長と県職員7人が同行する。財界などを含めたミッション団は構成せず、市町長も同行しない。

県は昭和48年11月に同州と姉妹提携を締結。知事の同州訪問は、鈴木英敬前知事が訪れた平成25年8月以来となる。県内からは少なくとも約2千人が同州などブラジルに移住したとされる。

一見知事は会見で「州や県人会との関係を確認し、県の魅力を発信することに意義がある」と訪問の意義を強調。「ブラジルに移住して働き、県に富をもたらしてくれた人々に敬意を表したい」と述べた。