ブラジル出張費は1人120万円 香川の問題意識し三重県「経費抑えた」

香川県議らが1人当たり263万円で南米などを訪れることで話題の公費を投じた海外出張。ブラジル・サンパウロ州を訪問する三重県は、この問題を意識して「経費の削減に努めた」(担当者)という。

県によると、一見勝之知事や中森博文議長ら9人が参加するブラジル訪問の費用は956万円で、1人当たり約120万円。滞在日数などは異なるが、同じ南米への訪問としては香川県議らの半額以下だ。

「私が知事になってから海外出張の経費は減った」。一見知事は28日の定例記者会見で、そう強調した。過去にはスイートに宿泊していた知事もいたが、一見知事は「小さな部屋」にするよう指示したという。

今回は職員を含む全員が同じグレードの部屋で、1人当たり1泊2万4千円。治安の観点から市中心部を選んだが、高級ブランドではないという。県の担当者は「ホテルで最も低いランクの部屋にした」と話す。

また、海外出張の規定では知事と議長が航空機のファーストクラスを利用できるが、少なくとも鈴木英敬前知事からはビジネスクラスを使っている。今回も費用を抑えるために、ビジネスクラスにしたという。

県が出張の詳細を検討した頃には、既に香川県議らの問題が浮上していた。国際戦略課の担当者は、この問題を意識しながら調整を進めていたことを明かした上で「華美な出張にならないようにした」と語った。