戦争体験風化させない 29、30日に松阪で平和展

【千人針や「写真週報」を示す前嶌(右)、後藤両氏=松阪市役所で】

【松阪】「松阪 平和の会」(前嶌徳男・後藤健一共同代表)は29、30の両日、三重県松阪市外五曲町の同市文化財センター第3ギャラリーで「平和展 戦争の実相にせまる」を開く。入場無料。

同会は4年前に発足し、退職教員13人でつくる。戦争体験を風化させないために開き、3回目となる。同市立歴史民俗資料館や同市郷土資料室などが所蔵する大日本国防婦人会の千人針や政府発行の「写真週報」など約140点を出品する。

「日本軍と兵士の実情」「戦争の実情は、国民にそのまま伝えられたのか」「松阪空襲と今も残る戦争遺跡」などのテーマを設け、広島・長崎の原爆被害や、沖縄戦も取り上げる。沖縄県平和祈念資料館から集団自決直前や那覇空襲を生存者が描いた絵パネルと、銃弾が貫通した水筒など実物資料を借りた。

29日午後1時半から空襲体験者の話、30日午後1時半から平和を考える絵本の朗読がある。

前嶌氏(74)は「憲法前文の『政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように』がサブタイトル。一人一人ができることを考える機会となれば」と話し、後藤氏(73)は「訴えてくるものが大変重い」と来場を呼びかけている。