濵口大蔵氏の遺作並ぶ 津・三重画廊で絵画小品展

【濵口氏の遺作を鑑賞する妻の美和子さん(右から2人目)ら=津市中央の三重画廊で】

【津】三重県津市観音寺町の画家で、一昨年7月に89歳で逝去した濵口大蔵氏の遺作小品展が19日、同市中央の三重画廊で始まった。50年にわたり絵画公募団体白日会で活躍した濵口氏の20号までの油彩を中心に小品46点を展示販売している。23日まで。

濵口氏は紀伊長島町に生まれ、県職員と並行し制作を続けた。昭和30年同会に初入選し同59年から会員。会友推挙から50年となった令和3年には特別賞の白日会八咫烏(やたがらす)賞を受賞している。

濵口氏は生前から家族に「遺作展をしてほしい」と話しており三回忌に合わせ人物や風景などの油彩を中心に展示。白いワンピースの女性や腰掛ける裸婦、津の海の夜明けなどがある。蛇腹式のスケッチ帳には、津八幡宮から始まる津まつりの唐人おどりやしゃご馬を躍動的に描いている。

妻の美和子さん(87)は「几帳面な性格で納得いくまで作品と向き合っていた。人物を描くときは内面から出る美しさを追求していた。見るほどに深みがある」としのんだ。