目視での児童確認徹底を 津の女児死亡受け、三重県が再発防止策

【女児が死亡した事件の再発防止を職員らに指示する一見知事(右)=県庁で】

三重県津市で母親(42)の暴行を受けた三女=当時(4つ)=が死亡した事件を受け、県は11日、関係部局の幹部らを集めた児童虐待防止対応検討会議を開いた。目視による児童の安全確認を徹底することなど、事件の反省を踏まえた当面の再発防止策をまとめた。

県によると、会議は事件で明らかになった課題を踏まえ、早急に再発防止策を講じることを目的として初めて開催。第三者委員会が報告書をまとめた後にも開催し、改めて再発防止策を検討する。

児童相談所が約1年以上にわたって三女を目視していなかった反省から、再発防止策には目視での確認を徹底すると明記。確認をした主体や時期の記録も義務付けた。確認のペースなどは改めて検討する。

三女が保育園に通わなくなっても、児相は一時保護の必要性を再検討しなかった。この点を踏まえ、再発防止策は「状況に変化がある場合はリスクの再評価を徹底するなど、手順を見直す」とした。

また、県や市町、警察などでつくる要保護児童対策地域協議会で、今回の事案に関する情報共有が「不十分だった」と指摘。専用のチェックリストを作成するなどし、共有する情報の漏れを防ぐとしている。

このほか、AI(人工知能)を活用した児童虐待対応支援システムは、使用を続けると明記。「AIの評価はあくまで参考であることを改めて確認する。データを蓄積し、精度を向上させる」としている。

この日の会議では、子ども・福祉部の担当者が再発防止策の案を提示し、幹部らが承認。県は児相に目視での確認徹底を依頼した。近く関係機関にも再発防止策を送付するなどして対応への協力を求める。

一見勝之知事は「二度と子どもの命が失われないようゼロベースで点検し、全庁が一丸となって再発防止に取り組むように。何よりも関係各部が連携して取り組んでほしい」と職員らに指示した。