小学生発見の出土品公開 津の川合公民館で

【出土したつぼや銅鏡を眺める来館者=津市一志町八太の川合公民館で】

【津】三重県津市一志町小山で昨年1月、地元の小学生によって発見された遺跡・小鳥山中世墓から出土した遺物が、同町八太の川合公民館で一般公開されている。市教委による発掘調査で見つかった平安時代末期のつぼや銅鏡など計6点を見ることができる。16日まで。午前9時―午後5時。期間中無休。

今回が初公開。高さ39センチの「渥美産四耳壷(しじこ)」は、つぼの肩部分にある3本の平行線や三角の模様が12世紀末頃に愛知県渥美半島で焼かれたものの特徴という。ほかに直径12センチの「菊花双鳥鏡」、直径10・3センチの「萩双鳥鏡」の銅鏡2点、長さ32センチの鉄刀などを展示している。

市教委文化財担当主幹で学芸員の中村光司さん(56)は当初中世の有力者の墓とされた同遺跡について、その後の調査で「お経を土に埋めた『経塚』の可能性が高まった」とし「12世紀末頃の末法思想(の影響)でお経を刀や鏡と一緒に土に埋めて心の安定を図った。当時の有力者が作ったものでは」と推察した。

今回の発掘調査は土地を所有する小山区の理解なしには進まなかったとして「地元の協力があって遺跡が守られた。文化財は地域に根付いたもので、地元でまず見ていただくことに意味がある」と来場を呼びかけた。

同所での展示終了後、19日―8月31日の平日午前9時―午後5時に市埋蔵文化財センター(同市安東町)で展示する。