武四郎「東蝦夷日誌」現代語訳を寄贈 井村屋が500冊、松阪市へ

【「東蝦夷日誌」を示す浅田取締役(右)と竹上市長=松阪市役所で】

【松阪】井村屋グループ(三重県津市高茶屋)の浅田剛夫取締役会議長は10日、松阪市役所で竹上真人市長に松浦武四郎の著作「東蝦夷日誌」の現代語訳を500冊寄贈した。

同社は同市で創業し、同市飯高町の水をミネラルウォーター「めぐるる」や日本酒「福和蔵」に使っている。武四郎は同社が扱う小豆産地の北海道で活躍し、同社が掲げる現場・現物・現実主義と通底するため、顕彰活動に取り組んでいる。

現代語訳の刊行は平成29年の「十勝日誌」、令和3年の「西蝦夷日誌」に続き3作目となる。東蝦夷日誌は襟裳岬から釧路までの区間で、内陸の帯広へ入り、十勝川を下った紀行。同社の助成で「たけしろうカンパニー」(津市一志町虹が丘)が出版した。執筆・編集・写真は下村友惠さん。

同市は300冊を同市小野江町の松浦武四郎記念館で希望者に無料で配布する。200冊を同市内の小中学校と図書館で活用する。

浅田氏は「あずきバーの小豆の産地が十勝」「武四郎は類いまれな行動力がある。自分で書き、スケッチ能力がすごい。現場に行かないと見えてこないことがある」と武四郎の魅力を語った。

竹上市長は「あずきバー発売50周年おめでとうございます」と祝い、贈呈を感謝した。