斎宮寮の歴史紹介 明和町の斎宮歴史博物館、きょうから夏季企画展

【8日から始まる企画展「斎宮寮」=明和町竹川の斎宮歴史博物館で】

【多気郡】斎宮歴史博物館は8日から、三重県明和町竹川の同館特別展示室で夏季企画展「斎宮寮」を始める。重要文化財19点を含む55点を出品する。会期は9月3日まで。観覧料は一般340円、大学生230円、高校生以下無料。

斎王を支える役所「斎宮寮」は8世紀初頭に設置した。職員は500人を超え、独自の財政基盤を持って運営した。展示会では斎宮寮の歴史、組織と運営、研究史を紹介する。

公文書に押された斎宮寮印を基に模造した銅印「斎宮之印」や、斎宮跡から出土した官職名を記した平安時代の墨書土器などを展示。江戸時代の「伊勢物語絵巻」のうち斎宮を訪れた男を斎宮頭(さいくうのかみ)がもてなす場面を披露する。「斎宮ではたらく人々の横顔」をテーマに、サイコロ形土製品や墨書・刻書土器「#」がある。

学芸員の松田茜さんは「文献と重要文化財の考古遺物の両面から、斎宮寮を多角的にとことん掘り下げています」と来場を呼びかけている。

展示解説会は7月29日、8月19日のいずれも午後1時半から開催。

さいくう西脇殿歴史フォーラム「斎宮寮庁の地で聞く斎宮寮のはなし」が7月22日午後1時半から、同町斎宮のさいくう平安の杜西脇殿であり、松田さんが講師を務める。