【津】生命保険協会県協会は7日、三重大学で寄付講義を行い、学生ら約70人が受講した。
同会が金融教育の一環として大学と連携して開講。令和3年から始まり、県内では3回目。
この日は、野崎哲哉教授の金融論のカリキュラム内で、同会の弥永洋史事務局長が「生命保険総論」と題し講義した。
弥永氏はまず、日本の社会保障について説明。けがやパートナーが死亡したケースを例に、必要となる医療費や遺族の生活費などを解説。社会保険からなる「共助」と租税による社会福祉などの支援、「公助」について話した。
その上で、平均寿命の延伸による社会保険費の圧迫や、少子高齢化に起因する税収の減少を挙げ、公的保障だけでなく自分たちを守る備えとしての私的保障、「自助」が必要だと強調した。
後半は、生命保険の歴史と仕組みを解説。集めた保険料と支払う保険金が等しくなる「収支相等の原則」や保険の類型を解説した上で、自らが保険を選択する際のポイントなどを説明。弥永氏は「『誰のため』『どんな時のため』『いつまで』といったことを考え、自分たちを守る一つの手段として保険を選択することが大切」と締めくくった。
講義を聴いた人文学部法律経済学科3年の辻悠花さんは「生命保険のことを自分のこととして考えるきっかけとなった」と感想。
野崎教授は「学生らが保険教育の基礎的な部分を学ぶ場となれば」と期待した。