甲子園「思い詰まった場所」オリックスの前佑囲斗投手

【前佑囲斗投手】

第105回全国高校野球選手権記念大会は8月6日から阪神甲子園球場で開かれる。新型コロナウイルスの5類引き下げなどを踏まえてアルプススタンドでの応援に関する規制もなくなり、コロナ禍前の2019年の全国高校野球選手権以来の盛り上がりが予想される。津田学園高校(桑名市)3年時の4年前の夏、本県代表として甲子園に出場し、現在はプロ野球のオリックスでプレーする前佑囲斗投手(21)に当時の思い出などを聞いた。


プロに入りいろんな球場で投げたが甲子園は思い入れが一番詰まった場所。来る時は毎回、ここからまた新たな道を進められたらいいかなという気持ちになれる。

出ても出られなくてもそこを目指して頑張った経験は財産。自分も甲子園に出て将来が変わった。一番印象に残るのは(優勝校と2回戦で対戦した2019年夏の全国高校選手権)履正社(大阪)戦。負けはしたがまだまだ上がいる、もっと頑張らないといけないと思うことができた。

【履正社(大阪)戦で先発し力投する津田学園高3年時の前投手=2019年8月、甲子園球場で】

今年6月に初めて1軍に上がり(セ・パ交流戦で)2試合投げることができた。相手はすごい打者ばかりだったが、マウンドに立ったらいつも通り、キャッチャーのミットを目がけて、という気持ちで投げられたので、そこは良かった。

プロ4年目に入り、今のままならダメ、新しい自分をつくらないといけないと、野球以外のところから取り組みを変えたのがうまくいったのかなと思っている。

高校時代の仲間とは現在も連絡を取っている。プロ初登板した時は監督、コーチも連絡をくれた。ただここからがスタート。今回登板の2試合は点差のついた展開だったので、緊迫感のある試合だったり、勝ちパターンで試合を託されるような投手を目指して2軍でしっかり練習し、また成長した姿を見せたい。


まえ・ゆいと プロ野球オリックス・バファローズ所属の投手。亀山市出身。切れのあるストレートを武器に津田学園のエースとして2019年春、夏、甲子園出場。同年のドラフト会議でオリックスから4位指名を受けた。プロ入り後は2軍で雌伏の時期が続いたが今年6月、1軍に初昇格しDeNA、阪神との交流戦2試合に中継ぎ登板。いずれも無失点で切り抜けた。182センチ、90キロ、右投右打。