江戸の献立を現代風で楽しむ 亀山のカフェ・茶蔵茶房が「ごはん会」 三重

【料理の説明をする(右から)服部理佳さんと松井さん=亀山市関町新所のカフェ「茶蔵茶房」で】

【亀山】三重県亀山市関町新所の関宿街道沿いのカフェ「茶蔵茶房(さくらさぼう)」(服部亜樹店主)は5日、江戸時代の庶民の贅沢(ぜいたく)な献立を現代風にアレンジした食事が楽しめる「江戸の庶民の贅沢ごはん会・ひるげ」を開いた。市内外から12人が午前10時と11時に分かれてごはん会を楽しんだ。

服部店主は、同店から徒歩5分の同街道沿いにある、銘菓「関の戸」で有名な創業380年余りの老舗和菓子店「深川屋陸奥堟」の14代目当主。

服部店主は「深川屋に代々受け継ぐ、伊賀や信楽、伊万里焼の器に江戸時代の献立を盛り付け、当時の食事を味わい、江戸から明治、大正時代の町並みの関宿街道を、より深く感じてもらいたいと新たな仕掛けをした」と話した。

【江戸時代の庶民の贅沢な献立の料理の一部=亀山市関町新所のカフェ「茶蔵茶房」で】

ごはん会は、服部店主の妻・理佳さんが配膳を、友人の管理栄養士・松井順子さん=松阪市=が調理と盛り付けを担当。当時の献立を忠実に現代風の味付けに工夫し、ナスのしぎ焼きやコンニャクの阿蘭陀(おらんだ)煮、キュウリを縦切りにした南京豆白和えのほか、丸い形のなんば(トウモロコシ)の握り飯など10品を提供した。

松井さんは「江戸の料理本を参考に、キュウリを輪切りすると、徳川幕府の家紋に似ていることから、縦切りにしていたことなど、なるだけ忠実に調理しました」、理佳さんは「江戸時代の食文化を体験することで、より関宿の魅力を感じてほしい」と話していた。

鈴鹿市国府町の小林規郎さん(82)は「どの料理も素材が生かされており、見た目も楽しめておいしくいだだいた」と満足していた。今年3月から2カ月に1回程度開いている「ごはん会」は次回、8月26日に午前10、11時と、午後5、6、7時にいずれも定員六人で要予約。申し込み、問い合わせは服部理佳さん=電話090(2266)5996=へ。