組織全体で早期発見と対応を 三重県警ネット防犯連絡協議会で太田三重大名誉教授

【サイバー犯罪の情勢について意見交換する会員ら=津市の県総合文化センター会議室で】

三重県警は5日、津市一身田上津部田の県総合文化センター会議室で県インターネット防犯連絡協議会の全体会議を開き、会員ら20人が近年のサイバー犯罪の情勢について意見交換した。

同協議会はサイバー犯罪への対応や連携強化を目的に、県内のインターネット接続事業者や回線提供事業者ら16事業者を会員に平成11年に設立。以降、毎年定期的に会議を開き、情報を共有している。

基調講演では、サイバー犯罪対策アドバイザーで三重大名誉教授の太田義勝さん(69)が「最近のサイバーセキュリティ情勢について」と題して近年のサイバー犯罪の特徴などを紹介した。

太田さんは、組織的な脅威として、不正プログラムの被害や標的型攻撃による機密情報の窃取が多発傾向にあると説明。

また個人被害の特徴として、パソコンなどの端末上に偽のセキュリティー警告を表示させて金品や情報をだまし取る手口の詐欺被害が増加傾向にあるとし、「被害は完全に防ぐことはできない。早期発見と早期対応や組織全体での対応が必要」と呼びかけていた。

県警サイバー犯罪対策課によると、令和4年のサイバー犯罪に関する相談件数は3785件で前年比649件増えている。辻幸保課長は「脅威の実態を明らかにし、必要な対策を検討するためにも警察との情報共有を図るようお願いしたい」と話していた。