8医療機関、計2000万円過大受給 病床確保の交付金、国に返還へ 三重

三重県は5日、新型コロナウイルス患者用の病床を確保した病院に交付する病床確保料について、県内の8病院が計2021万5千円分を過大に受給していたと発表した。制度の認識不足が主な理由で、本来は受給対象でない病床も請求していた。8病院は既に過大受給の全額を県に返還した。県は近く国に返還する。

県によると、県内で病床確保料の過大受給額が最も高かった病院は、県立こころの医療センター(津市城山1丁目)だった。過大受給額は951万4千円で、8病院の総額の約半額を占めた。

患者が退院した当日の病床は病床確保料の交付対象にはならないが、過大受給をした病院の多くは請求に含めていた。県から入院の依頼を断ったにもかかわらず、当日の病床を請求した事例もあった。

病床確保料の過大受給を巡っては、会計検査院が昨年11月に発表した報告書で指摘したことを受け、厚労省が病院の調査を都道府県に依頼。県は44の病院を調査し、今年2月に結果を報告していた。

県は病院からの申請を審査し、病床確保料の交付を決定していた。当時の書類では、申請された病床が患者の退院日に当たるかどうかの判別が付きにくかったことなどから、過大請求を見落としたという。

医療保健部は「意図的な過大申請はなかったが、審査する立場として過大請求を見抜けなかったことを重く受け止めている。申請書類の変更や病院への注意喚起など、再発防止策を講じた」としている。

こころの医療センター以外に過大受給をした病院と過大受給額は次の通り。

岡波総合病院(伊賀市)488万4千円▽松阪中央総合病院(松阪市)268万2千円▽三重北医療センター菰野厚生病院(菰野町)255万6千円▽四日市羽津医療センター(四日市市)28万4千円▽伊賀市立上野総合市民病院(伊賀市)16万4千円▽伊勢赤十字病院(伊勢市)7万4千円▽桑名病院(桑名市)5万7千円