労災防止へ工場パトロール 伊勢労基署、小倉監督が一日署長 三重

【工場内の安全対策について説明を受ける小倉一日署長(左から2人目)=伊勢市御薗町の横浜ゴム三重工場で】

【伊勢】仕事中の転倒や腰痛といった労働災害の防止に向け、伊勢労働基準監督署(古市泰久署長)は27日、三重県伊勢市御薗町の横浜ゴム三重工場でパトロールを実施。一日署長に任命された地元の社会人サッカーチーム「FC伊勢志摩」小倉隆史監督(49)らが、工場内の安全対策を見て回った。

労働災害防止を推進する「全国安全週間」が来月1日から始まるのを前に実施した。小倉一日署長と、同工場に勤務するFC伊勢志摩の選手3人が、大楽貢工場長の案内でパトロール。トラックやバスのタイヤを製造する工程で、機械の安全装置や、つまずきを防ぐための段差の解消、熱中症対策などを確認した。

同労基署によると、近年、高齢の労働者が増えたことなどから、転倒や腰痛による労働災害が多発。昨年の管内の労働災害での死傷者は243人で、そのうち転倒は79人だった。労災防止に向け、昨年から同労基署とFC伊勢志摩は連携し、スポーツ選手の知見を生かした転倒防止体操の制作や広報啓発に協力して取り組んでいる。

パトロールを終えた小倉一日署長は「しっかり安全対策されていた。取り組みを続け、健康で明るい職場環境を維持してほしい」と呼びかけた。労基署の担当者は「工場内はきれいに片付けられ、環境は良い。維持してもらい事故やけがのないよう努めてほしい」と講評した。