渡辺パイプ、企業版ふるさと納税で6000万円寄付 玉城町の農業振興を支援 三重

【辻村町長(右)から感謝状を受け取った渡辺社長=玉城町佐田の玄甲舎で】

【度会郡】三重県玉城町の農業振興に役立ててもらおうと、管工機材販売などを手掛ける渡辺パイプ(東京都中央区)が企業版ふるさと納税制度を活用して同町に6千万円を寄付したことを受け、町はこのほど、同社に感謝状を贈った。

町は令和2―4年度にかけて、「農産物の6次産業化推進及び地域商社設立支援事業」を実施。その一環として地元のイチゴ農家、山本翔史さんが地域商社「SaTi(サティ)」を設立し、運営している。

山本さんは新規就農者にイチゴ栽培の技術を教え、取引先が求める高品質のイチゴを共に販売する取り組みを進めているが、資材の高騰や銀行の融資が受けにくいこともあり、同制度を活用して支援してもらえる企業を探していたところ、農業用温室の設計・施工なども手掛ける同社が取り組みに賛同し、3月下旬に町へ寄付した。寄付金は農業設備や地域産品の販売体制強化などに活用する予定。

同町佐田の町指定文化財「玄甲舎」で贈呈式があり、辻村修一町長が渡辺圭祐社長に感謝状を手渡した。

辻村町長は「山本さんら若い農家の方が意欲的に農業に取り組んでもらっている。何とかして町の農業を発展させたい」、渡辺社長は「日本の農業を盛り上げるお手伝いをしていきたい。寄付で終わりではなく、さらに全面的に玉城町を支援していきたい」と話した。