「怖い、かわいい」国府小児童が金剛力士像見学 鈴鹿・府南寺の国重文

【金剛力士像の阿形を見る児童ら=鈴鹿市国府町の府南寺で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市国府町の市立国府小学校の2年生49人が22日、同町の府南寺(久米令馬住職)を訪問し、国重要文化財の金剛力士像2体などを見学した。

生活科の授業の一環で、地域の歴史を学ぶのが狙い。同寺には明治8年、同小の前身にあたる国府学校が設立された。

この日は、久米住職(60)が子どもたちに、学校が寺の庫裏にあったこと、当時男子66人、女子33人でスタートしたことなどのほか、飛鳥時代から続く寺の歴史や阿弥陀如来の伝説などを話した。鎌倉時代の運慶作と伝えられている金剛力士像については「東大寺の国宝、金剛力士像と手に印を結ぶ型が同じ」などと説明した。

同寺の金剛力士像は高さ約2・1メートル。目に水晶をはめ込んだ玉眼、寄木造りの技法が特徴という。

仁王門がある宝物庫の中に入り、子どもたちが間近で見学するのは初めて。

子どもたちは「(吽形は)怖い感じ、(阿形は)かわいい感じがした」「目の色が違った」などと話し、興味深そうに貴重な仏像を観察した。

鈴木智大教諭(26)は「自分たちの住んでいる地域に、日本の宝があることを誇りに思ってほしい」と話した。