ベルリン工科大チームが鈴鹿の施設見学 介護ロボット使用を調査 

【移乗支援ロボットSASUKEの操作を体験するヴィガートさん(左)=鈴鹿市深溝町の鈴鹿グリーンホームで】

【鈴鹿】ドイツのベルリン工科大社会学部の研究チームが22日、三重県鈴鹿市深溝町の特別養護老人ホーム鈴鹿グリーンホーム(服部昭博施設長)を訪問し、介護現場で使用するロボットの見学や介護ロボットを使用する介護職員への聞き取り調査などをした。

同チームは介護施設で人間とロボットがどのように協働するか、作業分担の形態などについて研究しており、ドイツ研究振興会の助成金でドイツ、オーストリア、スイスの欧州各国と日本の比較を社会的に分析する。

鈴鹿グリーンホームは現在、10種類の介護ロボット99台を介護現場で活用しており、3月に同大学から見学の申し入れがあったという。

来日したのは同チームの社会学者、ケヴィン・ヴィガートさん(29)。ベッドから車いすへの移乗介護に使用する移乗支援ロボット「SASUKE(サスケ)」の仕事ぶりや介護職員が操作する様子などを直接観察したほか、実際にロボットを操作した介護福祉士の川村真美さん(31)から、サスケを使う前と使うようになった後の変化など、労働者視点の意見を約一時間にわたって情報収集した。

ヴィガートさんは「日本では行政や企業のほか、5カ所の介護施設などを見学した。来年中に論文としてまとめ、発表する予定」と話した。

服部施設長(51)は「社会学的な調査は必要と思っていたので、協力できてよかった」と話した。