地域交通維持へ閣僚宣言 G7担当相会合が閉幕

【G7交通大臣会合の最終日を迎え、議論に臨む各国代表ら=志摩市阿児町神明で】

志摩市で開かれたG7三重・伊勢志摩交通大臣会合は18日、人口減少地域を含めて誰もが利用できる移動手段の提供が重要とする閣僚宣言を採択し、閉幕した。バリアフリー化で連携することや、ウクライナの復興を支援することなどを明記。2日間の討議を終えた各国の代表らは、会場に設けた県の展示コーナーを視察した。

閣僚宣言は「特に人口が減少する地方」で、効率的かつ手頃な移動手段を提供する重要性を強調。解決策を共有して優良事例を促すため、G7各国で政策と方策の報告書をまとめることを決めた。

脱炭素化に向け、環境負荷の低い再生航空燃料の導入を促進すると明記。二酸化炭素を排出しない船舶で運航する「グリーン海運回廊」を2020年代半ばまでに少なくとも14ルート設けることを支援する。

バリアフリー化の推進に向け、各国の政策などを共有する事務レベル会合を開くことを決定。態度やコミュニケーションといった見えない障壁を取り除く意識面でのバリアフリーにも言及した。

また、ロシアのウクライナ侵攻を「可能な限り最も強い言葉で非難する」と明記。ウクライナのサプライチェーン(供給網)を強化するため、作業部会の設立を検討することも確認した。

議長を務めた斉藤鉄夫国土交通相は討議後の記者会見で「G7では特に過疎化や高齢化が進んでいる日本の試みを各国が注目している」と指摘。会合の内容を自治体と共有する考えを示した。

【志摩観光ホテル(志摩市)で県の展示を見学する各国の代表ら(県提供)】
【カナダのオマール・アルガブラ運輸相(左)を県の展示コーナーに案内する一見知事(代表撮影)】