盛り上がり欠く、効果算出を 交通相会合閉幕、段取りに不満も

三重県内では伊勢志摩サミットに次ぐ大規模な国際会議となった交通大臣会合。ウクライナの副首相出席で一定の注目は集まったが、やはり〝当事者ら〟を除けば盛り上がりに欠けたと言わざるを得ない。

要因の一つは「海外メディアなき会合」だろう。国内メディアからは約300人が登録したが、実際にプレスセンターを訪れたのは100人ほどか。それも、多くは県政記者クラブに所属する「顔見知り」だった。

その記者からは「事務方のロジ(段取り)が悪い」と不満が続出。取材は厳しく制限されたほか、プレスセンターに駐車場はなし。事務方の連携ミスで報道バスが予定したルートを走行できない事態も起きた。

その半面、職員は忙しくも楽しそうな様子だった。一部の職員は期間中、歓迎レセプションが開かれたホテルに滞在。英虞湾を望む大浴場を満喫した職員も。最後まで「官官接待」の印象はぬぐえなかった。

一方で「私らは体育館みたいなところで雑魚寝なんやで」と、警備を任された警察官。期間中は会場付近のアリーナで堅い床に布団を敷いての仮眠を強いられた。「ほとんど眠れずに警備をした」という。

そこまで投じて得た「成果」はいかほどか。経費の総額も「まだ分かっていない」(県職員)というが、それでは素直に成果を喜べない。費用対効果を十分に検証し、改めて地方開催の意義を考えるべきだ。