2023年6月18日(日)

▼中曽根康弘首相が踏み切った昭和61年解散は「死んだふり解散」と呼ばれた。大勝の確率が高い衆参同日選挙を狙う意図を隠し、臨時国会を召集して突然解散した。中井洽衆院議員が県庁の記者クラブを訪れ、日程的にあり得ないとひとくさり持論を開陳した直後だった。藤波孝生官房長官が後日、県内のパーティーで、いかに周囲を“だましたか”をとくとくと語った

▼理由はいまいちだが、解散に関しては首相は嘘をついてもいいとされている。が、その内容は「死んだふり解散」に代表されるように、どんなに疑われても、解散などは考えてもいないとまことしやかに断言することだ。岸田文雄首相は逆にいかにも解散があるかのような発言に終始した

▼「諸般の情勢を総合して判断する」と言い、日程の問題であるかのようにも言った。一般的に、ここまで踏み込めば周囲が一斉に動き出して抜き差しならぬ局面に追い込まれるが、岸田首相は“わざわざ”見送り宣言し、解散風は遠ざかった。何度も期待されては裏切ってきた感のある首相だが、またかの思いは強い

▼G7三重・伊勢志摩交通大臣会合が開幕した。歓迎のレセプションがあり、議長を務める斉藤鉄夫国交相は各国代表との個別会談を開始し、ウクライナ副首相兼インフラ相が「特別セッション」に出席する“ハプニング”も、順調にスタートした

▼乾杯酒やメニュー・食材も紹介され、歓迎行事もとどこおりなく進む。もしも解散が決断されていたら―。解散風をあおっただけの危うい首相だが、県としては結果オーライと言わねばなるまい。