長寿認定こども園を特別監査 三重県と桑名市、給食強要問題で

【特別監査で立ち入り調査に臨む職員ら=桑名市の長寿認定こども園で】

【桑名】三重県桑名市北寺町の長寿認定こども園で保育士が園児に給食を強要していた問題で、県と市は9日、認定こども園法などに基づき特別監査を始めた。初日は、県と市の職員計10人が園に立ち入り、園の運営法人理事長をはじめ役員や、施設を管理する現前園長など7人から施設の運営状況や改善方針について聞き取り調査をした。

調査は午前9時50分ごろから約5時間半にわたって続いた。

監査後に囲み取材に応じた県福祉監査課の奥村勝己専門監は「事案内容から1日では完結しないと判断した。市と連携して事案の解明に努めたい」として、今後複数回にわたり監査を続ける方針を示した。今月中にも2回目の立ち入り調査をし、早ければ7月中をめどに結果をまとめるとしている。

県や市は特別監査の結果を受けて、業務改善に向けた指導や勧告をする。改善されない場合は命令や事業停止などの行政処分もあり得るとしている。

問題は、3月14日に保護者代表から市への相談により発覚。園に内部調査を求めたところ、給食の強要以外にも、危機回避時以外に腕や足を引っ張る行為▽決まった時間にトイレに行かせない▽園児への人権を尊重しない発言や暴力的な言動―などの不適切な保育があったことが判明した。一部は少なくとも数年前から続いていたとみられ、市は5月22日に調査結果を県に報告した。