斎王殿舎の発見に期待 発掘現場公開始まる 明和町の斎宮歴史博物館 三重

【公開が始まった斎王御殿推定地の発掘調査現場=明和町竹川で】

【多気郡】三重県の斎宮歴史博物館は6日、明和町竹川の国史跡斎宮跡第205次発掘調査現場の公開を始めた。奈良時代の「斎王御殿」と推定される場所に当たる。期間は8月30日までの火水金土曜。参加無料。

発掘調査の開始に合わせ、気軽に見学できるようにしている。現場は同館南約500メートルの近鉄線路北側。調査区を半分に分け、最初に調べる約300平方メートルで実施する。

調査地は奈良時代中ごろの堀立柱塀で囲まれた方形区画の内側で、斎王の居所となる斎宮中枢域と考えられる。方形区画は東西に2つあり、発掘調査は東区画(南北55・5メートル、東西46・2メートル)の内部を解明する狙い。

聖武天皇の娘の井上(いのえ)内親王ら奈良時代の斎王の居所である斎王御殿とみられ、斎王に関わる殿舎の発見が期待される。

同館調査研究課の川部浩司課長代理は「東西の脇殿をつなぐ場所を発掘する。正殿は東西に長いのか、ひさしがあるのか。規模や構造がポイント」と見どころを話し、「文献に載る史実に思いをはせながら斎宮跡を体感してほしい」と来場を呼びかけている。

問い合わせは同課=電話0596(52)3800=へ。