贈賄の元会社役員に有罪判決 名張市の事件「態様は悪質」津地裁

三重県名張市発注の営繕工事の随意契約での便宜の見返りにゴルフクラブを贈ったとして、贈賄罪に問われた元会社役員中井章仁被告(32)=百合が丘南=の判決公判で、津地裁(西前征志裁判長)は5日、懲役10月、執行猶予3年(求刑・懲役10月)の判決を言い渡した。

西前裁判長は判決理由で、「下請け業者らを利用して立て替え払いさせたり、自社に工事代金を水増し請求させてゴルフクラブの代金を捻出した態様は手が込んでいて悪質。職務の公正に対する社会の信頼を害した程度は大きく、随意契約における指名に便宜を図るよう自ら依頼するなど経緯や動機にくむべき余地は少ない」と指摘。一方で高額でなく、退職など一定の社会的制裁を受けている点などから執行猶予を認めた。

判決によると、中井被告は当時小川電気工事取締役として、市発注の放課後児童クラブ引き込み電源切り替え工事の受注などの便宜に対する見返りとして、令和3年5月―7月までの間、同市内の公園で、見積もり業者の選定を担当していた元市都市整備部営繕住宅室長の中西隆之被告(52)=収賄罪で公判中=にゴルフクラブ15本(合計46万円)を供与した。