2023年6月5日(月)

▼「女性活躍に向けた党の政策に対する理解増進」だという。自民党三重県連女性局が開いた「女性の集い」。県連ではなく、女性局が、というあたりに党としての本気度がにじむ。2年に一度の開催というのも、このめまぐるしい時代にどうかという気はする

▼「女性活躍」は安倍晋三首相が言い出した政策で、3本の矢にはじまって、既存の政策が停滞気味になると目先を変えるかのように新しい“重要政策”が提唱された。女性活躍も振り返ればその一つ。当時の厚生労働省事務次官は村木厚子さん。共同通信社での講演で「これまではそう期待もしなかったが、今度はちょっと違う気がする」と語っていた。10年の時を経て、さてどうだったか

▼提唱後の第三次安倍内閣は女性閣僚が1人増えて3人。今の第2次岸田改造内閣は第2次から1人減の2人。政界の女性活躍は良く言えば一進一退

▼第3次安倍内閣発足時は岡田克也氏が民主党代表に就いた。大会壇上に並んだ役員に女性の姿はなく、「何を考えてのか」と村木さんが言ったことはこれまでも書いた。先の県議選で中川正春立憲民主党県連代表が女性候補擁立姿勢を報道陣から問われていた。事情は与野党とも変わらないのかもしれない

▼「女性の集い」も、女性活躍というより焦点は結婚なのは、昨年の合計特殊出生率が過去最低。出生数も80万人割れとなった衝撃のせいか。NPO法人「日本結婚教育協会」の棚橋美枝子代表理事によると、未婚化は「親子のコミュニケーション不足」。「お節介な人がいないと進まない」とも

▼親が娘の嫁ぎ先を探す昔に戻れということか。自民党らしくはある。