三重県知事がサンパウロ訪問意向 在名古屋ブラジル総領事と懇談

【ガウヴォン総領事(左)に記念品を手渡す一見知事=県庁で】

一見勝之三重県知事は2日、ルイス・ガウヴォン在名古屋ブラジル総領事と県庁で懇談し、県と姉妹提携を結んでいる同国のサンパウロ州を年内にも訪問する意向を示した。実現すれば、鈴木英敬知事(当時)が訪れた平成25年以来となる。

県によると、今年はサンパウロ州との姉妹提携締結から50周年、ブラジルの三重県人会設立から80周年を迎える。こうした機会を捉え、一見知事は現地への訪問で同州との関係を強化したい考え。

県内には昨年12月時点で1万3061人のブラジル人が居住。県内に居住する外国人の国籍別ではブラジルが最も多いほか、昨年6月時点で三重は全国の都道府県で3番目にブラジル人が多い。

一見知事は懇談で「節目となる今年、サンパウロ州を訪れて交流を図りたいと思っている」と説明。「ブラジルの経済はますます伸びていくと思う。互いの発展に向けて良い関係を保ちたい」と述べた。

ガウヴォン氏は「知事の訪問が決まれば協力させてもらいたい。同州だけでなく、ブラジルとも交流してほしい」と返答。「日本とブラジルの絆は深い。今後も三重と協力できるよう取り組む」と述べた。

また、一見知事は新型コロナウイルスの感染拡大時にブラジル人コミュニティーの代表を通じて感染防止対策を呼びかけたことを紹介。ガウヴォン氏はブラジル人コミュニティーに対する支援の充実を求めた。

ガウヴォン氏はマドリードのブラジル大使館やマイアミのブラジル総領事館などでの勤務を経て令和3年9月から現職。この日は来庁に先立ち、県国際交流財団にポルトガル語の図書81冊を寄贈した。