路線バスでテロ対策訓練 三重交通と伊勢署、G7交通相会合前に

【バスから降りた不審者役を取り押さえる署員ら=伊勢市の三重交通伊勢営業所で】

【伊勢】G7三重・伊勢志摩交通大臣会合が16日から三重県志摩市で始まるのを前に、伊勢市の三重交通伊勢営業所で1日、路線バスの車内に不審者がいることを想定した伊勢署と同社のテロ対策合同訓練が実施された。

同社伊勢営業所の従業員と署員、県警機動隊ら約45人が参加した。

訓練では、乗客役の従業員8人が乗ったバス車内で、刃物を持った不審者役の署員が「東京まで走れ」などと大声を出し、運転手が無線で営業所へ連絡。連絡を受けた運行管理者が、車内の状況を聞き、署に通報した。駆けつけたパトカー2台がバスを囲んで停車させ、乗客役らを降車させて、警察官が不審者役を取り押さえた。

護身術訓練や、不審物への対応訓練もあった。

訓練後、同署の加藤秀幸警備課長は講評で「訓練で気づいたことを職場に持ち帰り、共有してほしい」と述べた。

水谷賢伊勢営業所長(54)は「狭い車内の緊迫した状況下で、情報収集の難しさを感じた。周囲のドライバーや市民からの通報の大切さを感じる。今後警戒体制を強め、輸送の安全を最優先に考えたい」と話した。