津市、補正案23億6100万円 市長公約の使用済み紙おむつ回収へ 三重

【6月補正予算案について発表する前葉津市長=市役所で】

【津】三重県津市の前葉泰幸市長は1日の定例記者会見で、23億6140万円の一般会計6月補正予算案を発表した。補正後の本年度予算規模は前年度同期比1・5%増の1161億8677万円。子ども・子育て政策として、4月の市長選で公約に掲げた使用済み紙おむつ回収処分事業などを盛り込んだ。同事業の実施は県内初という。8日開会の市議会6月定例会に上程する。

使用済み紙おむつ回収事業は市内すべての保育所、認定こども園などで開始し、保護者や保育士の負担を軽減する。具体的には民間事業者に回収・処分を委託し、市が補助する。対象は0歳から2歳児までで一人につき月額250円を見込む。回収ボックスの設置なども補助する。7月から実施する。

不足している保育士・幼稚園教諭の確保に向け、最大20万円を支援する就労開始応援事業も盛り込み、債務負担行為として1千万円を計上。来年4月1日付で新規採用者か過去2年間市内で勤務経験のない人が市内の民間保育施設に就労した際に、就職準備金として10万円、さらに1年間継続した人に10万円を補助する。

市長によると、保育施設への入所希望児が増える一方、保育士などの確保は近隣自治体と争奪戦になっており、補助金額などは松阪市を参考にしたという。

また、物価高騰対策・新型コロナウイルス感染症対策予算として約17億8千万円を計上。そのうち、市民の生活応援事業として、市内に住所がある約27万2千人に対し、プレミアム付き商品券を発行する。発行総額は35億3600万円で、過去最大という。

これまで発行枠を設けて申し込み制で行っていたが、今回は市民全員に配布するのが特徴。具体的には1万3千円分の商品券をプレミアム率30%の1万円で販売する。前回はデジタル商品券だったが、高齢者などを中心に不満があったため、今回はすべて紙の商品券を発行するという。

9月中に市民全員に商品券購入引換券を発送し、10月から12月まで購入を受け付ける。使用期間は10月から来年1月まで。市内約1500店で使える見込み。

前葉市長は市長選後、初となった今回の補正予算について「重要課題として公約の一番に掲げたのが子ども・子育て政策」と強調。その上で「保育現場で起こっている喫緊の課題に対応した。今後、子ども医療費や子育て家庭支援なども実施していきたい」と述べた。