野生カワウソの危機的状況知って 伊勢シーパラ、世界カワウソの日で解説 三重

【伊勢シーパラダイスが飼育するコツメカワウソの「結」(右)と「ムコドノ」=伊勢市二見町江の伊勢シーパラダイスで】

【伊勢】三重県伊勢市二見町江の水族館「伊勢シーパラダイス」で、「世界カワウソの日」(5月31日)にちなんだイベント「カワウソをもっとよく知ろうWEEK」が6月4日まで開かれている。期間中は「コツメカワウソのお食事タイム」の中で、「結」(雌、11歳)と「ムコドノ」(雄、9歳)の食事風景を見ながら、飼育員による世界カワウソの日にちなんだ特別解説を聞くことができる。

絶滅の危機にある野生のカワウソ類の現状や生態、飼育園館の取り組みの周知を目的に、英国の保護団体「国際カワウソ保護(生存)基金」が毎年5月の最終水曜日を「世界カワウソの日」に制定し、世界各地の施設で啓発活動やイベントが行われている。

同館では、ツメナシカワウソ2頭とコツメカワウソ3頭を飼育する。特にツメナシカワウソは国内でも飼育数が少なく、3園館で5頭のみという。同館では平成3年から飼育を始め、現在まで3回の繁殖に成功している。

【コツメカワウソの食事風景を見ながら小野田さん(右)の解説を聞く来館者ら=伊勢市二見町江の伊勢シーパラダイスで】

今回のイベントは1日2回、コツメカワウソの飼育舎前で実施。通常のお食事タイムでも2頭の紹介やカワウソの特徴などを話しているが、イベント期間中は普段は聞くことができない野生のカワウソの現状などを特別に解説する。

解説を行う飼育員の小野田忍さんは「野生のカワウソが置かれている現状を知ってもらい、それについて考えてもらうきっかけになれば」と話した。