ヤマトタケルを漫画に 亀山市教委「ゆかりの偉人に愛着を」 三重

【漫画本「ヤマトタケルとオトタチバナヒメ」を紹介する亀山教育部長=亀山市役所で】

【亀山】三重県の亀山市教育委員会はこのほど、亀山にゆかりのある古代伝説の人物「ヤマトタケルとオトタチバナヒメ」を題材にした漫画本(B6判、122ページ)を6千部制作した。

漫画本は、B&G財団の「ふるさとゆかりの偉人マンガ製作と活用事業」の助成金300万円を活用。市立図書館の学芸員などが協力し、市教委会が監修。イラストは市内在住の女性デザイナー小林はなさん(ペンネーム)が描いた。

市内小中学校と各地区コミュニティセンターなど公共施設のほか、県内市町の図書館、三重大や四日市大など県内五大学に配布。亀山市立図書館では貸出しもする。

物語は、ヤマトタケルが父、景行天皇の命により、亀山の忍山が生誕地といわれる妃「オトタチバナヒメ」とともに、東国の蝦夷(えみし)を成敗し、倭(やまと)の国に帰る途中、現在の同市能褒野町で息絶えるまでを分かりやすいストーリーにまとめている。

同市田村町の能褒野神社奥にある「能褒野王塚古墳」を内務省(現宮内庁)が明治12年にヤマトタケルの墓と定めている。また、JR亀山駅前広場に今年2月、同市名誉市民で彫刻家の中村晋也氏が制作した、ヤマトタケルとオトタチバナヒメが寄り添うブロンズ像が建立されている。

亀山隆教育部長は「未来を担う小中学生のふるさとへの興味や関心が向上し、地域への愛着心を育むきっかけにつながれば」と話していた。