養殖カワハギを本格出荷 津の就労支援事業所、愛知の飲食グループに 三重

【カワハギをいけすに移す河合代表(右)と花井さん=津市戸木町で】

【津】障害者が水産作業に取り組む三重県津市戸木町の就労継続支援B型事業所リベルタは26日、同所で養殖したカワハギを愛知県豊橋市の飲食グループ「武蔵」に出荷した。同施設の取り組みに賛同した同社が購入を申し出、市場価格の2倍での取引が実現。同社の河合昭人代表(52)が自ら訪れた。

同事業所は令和2年5月に開設し間欠ろ過式脱窒装置を使った屋内での養殖を作業の一つに取り入れ、試行錯誤しながら海ぶどうやカワハギを養殖。19―52歳の利用者7人が交代で餌やりや水質検査、水槽の掃除などをしてきた。これまでは近隣の飲食店に少量を出荷するのみだったが、河合代表の申し出で、約半年かけ育てたカワハギが初の本格出荷となった。

河合代表は装置や水槽がある施設内の土間を見学した後、利用者の花井智さん(52)らとバケツリレーで36匹をいけすに移した。

【カワハギの水槽を見学する河合代表(左から3人目)と利用者ら=津市戸木町のリベルタで】

カワハギは「就労支援施設利用者が育てた」と明記し同社の回転ずし店などですしや刺し身として提供予定だといい、河合代表は「今後もタイミングを合わせて前向きに仕入れを考えたい」と話す。

花井さんは「寂しい気持ちもあるが、育てた魚を買ってもらえるのはうれしい」。リベルタのサービス管理責任者、須藤明恵さん(47)は「目に見える結果は利用者のやりがいにつながる。今後もいろいろな魚に挑戦したい」と話した。